一円玉の恋
どう見てもセレブリティーな山神さんの家族にめちゃくちゃ緊張していたが、凄くご両親とも感じの良い方で、山神さんは、顔と基本的な性格はお義母さん似なんだぁー。と発見をした。
山神さんは、次男で上に四つ離れた兄がいるそうだ。
お兄さんは今は結婚して都内に住んでいるらしい。

「崇が、家に女性を連れて来るなんて生まれて初めてだから、びっくりしたけど。こんな可愛い素敵な子が、こんな性格に難ありな息子の所に嫁に来て大丈夫?
翠ちゃんなら、どんな良い男でも選り取り見取りだと思うのよね。よりによってこんなの選ばなくても…。
でも、お嫁さんになってくれるなら、私は大歓迎だわ。よろしくね。
もしよかったら、今後は翠ちゃん一人でいつでも遊びに来てね。」

と、なんとなく杏子さん風のお義母さんに言われて、私は嬉しくて、思わず初対面の人なのに堪え切れず抱きつくという失態を犯してしまった。
好きかも、好きです!山神さんのお義母さん!素敵すぎる!
だけどね…、私はもう嫁決定なんですね…。

「翠!抱きつくのは俺にだろ!」

と山神さんが、お義母さんから私を剥がしながら叫んでいる。うるさいな。堪能してんのに。

「あら、可愛いじゃないの。本当いい子ね翠ちゃん。」

と頭を撫でてくれる。
ああ!お義母さん嬉しいです。目がランランとします。よだれが出そうです。と羨望の眼差しを向けている。

と、そこにお義父さんが、「翠ちゃん、私にも抱きついてくれて構わないよ。さぁ、来なさい。」と腕を広げてきた。うおー。それは…無理。
そこは、お義母さんと山神さんに、「それはセクハラ!この、エロおやじ!」と怒鳴られていた。
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