カラダから、はじまる。
わたしは田中がいる課のドアを勢いよく開けた。
「あ……七瀬さん」
ドアの傍にいた高木が振り向いた。
「ねぇ……今、戸川が『田中がたいへんだ』って……うちの課に駆け込んできたんだけど……田中になにがあったの?」
少し小走り気味に来ただけなのに、もう息が上がっている。運動不足もさることながら、ここ連日の睡眠不足が祟っているのだ。
「戸川に訊いても、急にトーンダウンしちゃって……」
「まぁ……そうなるでしょうね」
高木はそう言って、身体を窓の方へ向けた。
わたしもつられてそっちの方向を見る。
すると……