カラダから、はじまる。

「で、でもっ! あんなに笑い転げるヤツじゃないじゃんっ⁉︎」

わたしは高木に追いすがった。

「そうですね、諒志さんのあのような姿は、今までに見たことはありませんが……」

やっぱり……田中のプラベを把握している高木ですら、そうなんだ。

「でも……どう見ても、ただ『笑ってるだけ』ですから」

高木は今度は母親のようにわたしの背中を(さす)りながら、説くように語りかける。

「じゃあ、なんであんなに笑い転げてるのよっ⁉︎」

「よくはわかりませんが……スマホで、だれかと通話しているみたいです」

わたしはもう一度、田中の方へ視線を戻すと、確かに彼はスマホを手にしていた。

「もしかしたら聞き間違いかもしれませんが、諒志さんがスマホを持ってなにか話し始めたとき、『ななみん』って言ってたような気が……」


……『ななみん』⁉︎

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