カラダから、はじまる。
それにしても……
田中だけでなく、あの「鬼の水野局長」からも、ここまでプラベ話を引き出すなんて……
わたしは目の前の高木をまじまじと見た。
「高木……恐ろしい子」
知らず識らずのうちに、口から漏れ出ていた。
……絶対に「敵」に回したくない子だ。
田中が自らの手許に引き込んだ理由が、身に沁みてわかった。
そして、高木は嫋やかな立ち姿で優美に微笑みながら、世にも恐ろしいとんでもないことを、さらりと言った。
「そうだ……七瀬さんのときもきっと、局長は『七瀬メモリーズ』をお作りになりますよね?」
……わたしは実の父親を、七海よりも先に、この手で闇に葬るかもしれない。