カラダから、はじまる。
「……一人?」
その口調が今までとガラリと変わって、いきなり冷気が漂い始めたような気がする。
……と言っても、いつもの「人造人間の田中」に戻っただけなんだけれども。
「ななみん、今どこ?」
まるで、容疑者を取り調べる刑事のように……いや、書類送検された被疑者の調書を取る検察官のように、田中は「尋問」する。
「道玄坂のどこ?」
間髪入れず、畳みかけるように「尋問」は続く。
……って言うか、七海っ、あんたこんな深夜に、渋谷なんかを一人でほっつき歩いてんのっ⁉︎
「とにかく、どこでもいいから、速攻で近くのコンビニに入ってくれ」
……姉のわたしだって、強くつよくそう願うわ。
「今から、迎えに行くから」