カラダから、はじまる。
「それにしても……チョモランマ級に聳え立っている、あなたのその『女王様』な自尊心は、周囲からミスT大などと煽てられて、ちやほやされているうちに培われてしまったのかな?」
しかし、一瞬にして、なぜかわたしは高木からディスられていた。
……は?
朱に染まったわたしの頬が、一気に醒めた。
信じられない気持ちで高木を見上げると、彼は口角を上げて微笑んでいた。
だが、その目はいっさい笑っていない。
「そんなに好きな男からフラれるのが怖い?
きっと、あなたのその『ご立派』な自尊心が、木っ端微塵に砕け散るだろうからね。
……だから、ずーっとなにをするでもなく、ただその男をひたすら未練がましく『見ているだけ』だったのでしょう?」
「ね、ねぇ……いきなり何なの?」
「そして、時々呑みに行ってはそこで出会ったオトコとこんなふうにセックスして、中途半端に憂さ晴らしをしていたのでしょう?」
「な、なに言ってんのよっ⁉︎ 」
ワケがわからないわたしは、声を荒げた。
しかし、高木はまったく動じることなく、それどころか、その微笑みがどんどん深くなっている。
「ずーっとあなたを見ていた、と言ったでしょう?あなたが『完璧な女』なんて、とんでもない。
……むしろ、危なっかしくて目が離せない人だ」