カラダから、はじまる。
「僕は……諒志さんに…このまま……付いて行くよ……なんだか……興味深い仕事が…できそうだしね……」
一般職は「ガラスの天井」があるため、就ける役職には限りがあり出世ルートには乗れないが、却って彼らの方が「淘汰」されることなく、定年まで在職できるのだ。
だけど……田中のことだ。
もしかしたら、いつか「権力」を手中に収めた暁には、ノンキャリでも実力次第でとんでもない役職に登用するかもしれない。
だから、高木は「田中に付いて行く」のだろう。
「七瀬さんのことだから……そんなことには…ならないと…思うけど……もし…あなたが…退官して…再就職先が……見つからなくても……」
……いやいやいや、このご時世、キャリア官僚が再就職するとなると、世間は「天下り」と見做すからね。なかなか難しいと思うわ。
「……僕が……あなたを…養うから……」