カラダから、はじまる。
「……本気でムカつくから、その呼び方やめてくれる?」
そんなチャラチャラした「称号」をいただいたおかげで、上の役職からは未だに変な「色眼鏡」で見られるのだ。花の二十代をなりふり構わず「仕事」に捧げてきたというのに……
……大学を卒業してから、何年経ってると思ってんのよ?
学生時代、学祭でわたしの承諾も得ずにだれかがエントリーしてやがったのだ。
だけど、ミスコンなんてまっぴらごめんだから、出場辞退してやろうと思って実行委員会へ出向いたところ、生来の優柔不断な性格が災いして断りきれなかった。
主催者は茶髪にピアスのチャラ男に見えたけれど、腐ってもT大生である。しかも、背景には某大手広告代理店が絡んでいた。
『君が言うような「女性蔑視の権化」になるかどうかは、応募する人がどんな女たちなのかで決まる』『我々がやるからには社会的にも有意義で、それでいて問題提起にもなる今までにない画期的なミスコンにしたい』
とかなんとか言われて、丸め込まれた。
半端ない「説得力」だった。
だけど、やっぱりわたしの一生の汚点の一つとなった。ミスコンはやっぱりミスコンでしかあり得なかったからだ。
あのとき……勝手にエントリーしたのは本宮なんじゃないか、ってわたしは思ってるんだけどね?