カラダから、はじまる。

妹の七海は「かわいい」。

父親似でウルトラマンみたいな「ヒーロー顔」のわたしとは真逆の、母親似の大きな瞳にちょこんとした鼻の「ヒロイン顔」。

本人は、その猫っ毛が湿気のある日は広がって広がって大変になるから、わたしの何の変哲もない()ストレートな黒髪を、

『うらやましい、うらやましい。あたしもおねえちゃんみたいな髪で生まれたかったぁー!』

と言っているが、ココアブラウンにカラーリングしたふわっふわっなその髪は、思わず男子が触って撫で回したくなると思う。

身長だって一六〇センチあるため、決して低いわけではないはずなのに、その雰囲気から一五五センチほどしかないイメージだ。

とにかくなんだか気になって目が離せなくて、放っておけなくなるタイプなのだ。


……七海は、田中が今までセフレにしてきた(つき合ってきた)オンナたちとも真逆なんだけどなぁ。

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