カラダから、はじまる。
Secret ♯4
その日曜日の朝、わたしは妹に寝起きを襲撃された。
「ねぇ、おねえちゃんっ、
……この服で大丈夫だと思う!?」
連日連夜の激務のために、ふらっふらになって寝込んでいたわたしは、超ブサイクな顔でベッドからむくっ、と起き上がった。
「……ん……うるさいなぁ、なによ、七海」
それでなくても、一月は通常国会が始まるため省庁が忙しくなる時期なのに、よりによって勤務する証券取引等監視委員会が、目産のコーン会長を有価証券報告書の虚偽記載の疑いによる金融商品取引法違反で、検察庁に告発したのだ。
父があの歳にもかかわらず、まるで若手のように庁舎から家に帰ってこられなかった理由は、これだったのだ。
「あのねぇ……今日、田中さんとデートなんだ」