カラダから、はじまる。
一九六七年六月二十六日、カンヌ近郊で休暇を妹のカトリーヌと過ごしたフランソワーズは、ロンドンでの主演映画の撮影に臨むべく、自らルノーのハンドルを握ってニース空港へと向かった。
そして、彼女が運転するその車は、高速道路で横転し、運悪く炎上して、彼女は焼死した。その遺体は判別できないほどひどいものだったらしい。
その年、「ロシュフォールの恋人たち」が公開されて、これが女優フランソワーズ・ドルレアックの遺作となった。
享年二十五歳であった。