その身体に触れたら、負け ~いじわる貴公子は一途な婚約者~ *10/26番外編
一瞬驚いたけれど、彼女はすぐに思い直した。格下のアルバーン家から断るのは難しいのだろう。彼にとってもやはり不本意な結婚なのだ。
「悪くはない提案だと思うのですが」
「わかりました。その賭けに乗ります。それで、どのような賭けを?」
賭けに負けたら、父親を説得して婚約を解消する。その先はどうなるかわからない。
けれど勝てば、二度と男性に無体を働かれずに暮らせる。
「僕だけがあなたに触れられないというのは不公平ですからね。あなたからも僕には触れない、ということでどうでしょう」
「それは、先に触れた方が負けということですか?」
「そう。断りなく相手に触れた方が負けだ。エスコートのときも必ずあなたの了解を得ましょう。それならあなたも安心でしょう?」
自分から彼に触れる機会などほぼないと言って良い。明らかに自分が有利ではないだろうか。
けれど、向こうがそれでいいというのなら好都合だ。彼女は澄ました顔でうなずいた。
「その話、お受けします」
「悪くはない提案だと思うのですが」
「わかりました。その賭けに乗ります。それで、どのような賭けを?」
賭けに負けたら、父親を説得して婚約を解消する。その先はどうなるかわからない。
けれど勝てば、二度と男性に無体を働かれずに暮らせる。
「僕だけがあなたに触れられないというのは不公平ですからね。あなたからも僕には触れない、ということでどうでしょう」
「それは、先に触れた方が負けということですか?」
「そう。断りなく相手に触れた方が負けだ。エスコートのときも必ずあなたの了解を得ましょう。それならあなたも安心でしょう?」
自分から彼に触れる機会などほぼないと言って良い。明らかに自分が有利ではないだろうか。
けれど、向こうがそれでいいというのなら好都合だ。彼女は澄ました顔でうなずいた。
「その話、お受けします」