overdrive
私、仕事、彼
ゴールデンウィークの真っ只中。
私は今、サービスエリアのレストランで彼氏と向き合っている。
いや、正しくはノートパソコンと、だけれど……
「美結(みゆ)、食べないなら俺がもらうよ」
「あー、ちょっと待って。今、送信するから!」
司(つかさ)さんが刺身定食を引き寄せようとするのを止めて、私はノートパソコンをぱたんと閉じる。
「これにて終了。お腹すいちゃった」
笑顔を作るが、彼はごまかされない。
付き合って三年になるけれど、デートに仕事を割り込ませるのは毎度のこと。進歩のない私に、あきれているのだ。
「ごめんなさい……」
「いいから、ゆっくり食べなよ」
既に食事を終えた司さんは、セットに付いてきたコーヒーを口に運んだ。空の食器は片付けられて、テーブルには刺身定食とコーヒーという、ちぐはぐな組み合わせが残るのみ。
私は電源を切ったパソコンを横に置くと、「いただきます」と手を合わせた。
(あーあ、またやっちゃった)
私は今、サービスエリアのレストランで彼氏と向き合っている。
いや、正しくはノートパソコンと、だけれど……
「美結(みゆ)、食べないなら俺がもらうよ」
「あー、ちょっと待って。今、送信するから!」
司(つかさ)さんが刺身定食を引き寄せようとするのを止めて、私はノートパソコンをぱたんと閉じる。
「これにて終了。お腹すいちゃった」
笑顔を作るが、彼はごまかされない。
付き合って三年になるけれど、デートに仕事を割り込ませるのは毎度のこと。進歩のない私に、あきれているのだ。
「ごめんなさい……」
「いいから、ゆっくり食べなよ」
既に食事を終えた司さんは、セットに付いてきたコーヒーを口に運んだ。空の食器は片付けられて、テーブルには刺身定食とコーヒーという、ちぐはぐな組み合わせが残るのみ。
私は電源を切ったパソコンを横に置くと、「いただきます」と手を合わせた。
(あーあ、またやっちゃった)
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