overdrive
今朝早く、デザイン事務所から急ぎの仕事が入った。私が受け持つ広告デザインに、クライアントから修正依頼がきたのだ。
休み明けでも間に合うのだが、やるべきことを後回しにするのは落ち着かない。それに、事務所に出向く必要はなく、データ修正して送信すればいいのだから、今やってしまおう。
そんなわけで、ここに来るまで恋人との会話もそこそこにパソコンと睨み合っていた私。せっかくのデートなのに、彼を独りぼっちにさせてしまった。
「日本海か……宿に行くにはまだ早いし、散策しようか」
「う、うん」
司さんは窓を指すと、私に笑いかけた。さっきの私と違い、それは心からの笑顔である。
眩しくて、申しわけなくて、急いでごはんをかきこんだ。
「おいおい、慌てるなよ。喉に詰まるぞ」
「大丈夫」
司さんとは仕事の関係で出会った。
彼は大手文具メーカーのマーケティング部に所属する社員である。デザインの相談でオフィスを訪れたのがきっかけだった。
五つ年上の彼はとても落ち着いた大人で、顔立ちも好ましく、とにかく優しいのだ。でも仕事に対しては情熱的で、妥協しないところが私にはど真ん中のタイプ。
私から告白してOKをもらった時は、天にも昇る心地だった。
休み明けでも間に合うのだが、やるべきことを後回しにするのは落ち着かない。それに、事務所に出向く必要はなく、データ修正して送信すればいいのだから、今やってしまおう。
そんなわけで、ここに来るまで恋人との会話もそこそこにパソコンと睨み合っていた私。せっかくのデートなのに、彼を独りぼっちにさせてしまった。
「日本海か……宿に行くにはまだ早いし、散策しようか」
「う、うん」
司さんは窓を指すと、私に笑いかけた。さっきの私と違い、それは心からの笑顔である。
眩しくて、申しわけなくて、急いでごはんをかきこんだ。
「おいおい、慌てるなよ。喉に詰まるぞ」
「大丈夫」
司さんとは仕事の関係で出会った。
彼は大手文具メーカーのマーケティング部に所属する社員である。デザインの相談でオフィスを訪れたのがきっかけだった。
五つ年上の彼はとても落ち着いた大人で、顔立ちも好ましく、とにかく優しいのだ。でも仕事に対しては情熱的で、妥協しないところが私にはど真ん中のタイプ。
私から告白してOKをもらった時は、天にも昇る心地だった。