課長、サインを下さい!~溺愛申請書の受理をお願いします。
クリスマスの朝。
朝一番にも雄一郎さんに襲われた私は朝食のビュッフェを食べ損ねて少しむくれたけれど、ルームサービスで外の景色を見下ろしながらブランチを食べた私の機嫌はすっかり直った。
ホテルを後にした私たちはその足で婚姻届を提出しに区役所へと向かった。
「無事に受理されたね。」
「だな。これからよろしくな、“奥さん”」
「こちらこそ、“旦那様”」
二人で顔を見合わせて笑い合う。
指を絡めてしっかりと手を繋いだ私たちは、我が家となるタワーマンションへと帰宅の足を向けた。