課長、サインを下さい!~溺愛申請書の受理をお願いします。
「きゃぁっ!」
雄一郎さんが突然私を足元から抱え上げた。
小さな子を運ぶように、膝裏に腕を入れて私を持ち上げたままスタスタと自分のデスクの前まで来ると、そのまま専務用の椅子に私ごと腰を下ろす。背の高い椅子が革製品特有の音を立ててたわむ。
「ソファーだと本気で寝そうだからなぁ。」
ちょっと残念そうに呟いた彼の膝の上で、私は完全に横抱きにされている。
「ちょっ、専務!ここは会社で、勤務中!!」
慌てて飛び降りようとする私を彼は両腕でゆるく拘束した。
「もう、雄一郎さん!ふざけないで、」
「美弥子。ちょっと顔色が悪いぞ。」
目を吊り上げて怒ろうとした私の頬を彼の手がそっと撫でる。彼はそのまま私の眼鏡をスルリと外してデスクの上に置いた。
「目の下も隈が出来てるし…」
目元を親指で擦られてちょっとこそばゆい。
「ここのところ、頑張りすぎじゃないか?美弥子。」
「雄一郎さん…」
「お前働かせてる俺が言うのもおかしいが、敢えて言うぞ。美弥子は働き過ぎだ。」
その眼はいつになく真剣で、少し強めの口調だ。今まで家でも職場でも彼からそんなふうにきつめに注意されたことのなかった私は、ちょっとたじろいだ。
雄一郎さんが突然私を足元から抱え上げた。
小さな子を運ぶように、膝裏に腕を入れて私を持ち上げたままスタスタと自分のデスクの前まで来ると、そのまま専務用の椅子に私ごと腰を下ろす。背の高い椅子が革製品特有の音を立ててたわむ。
「ソファーだと本気で寝そうだからなぁ。」
ちょっと残念そうに呟いた彼の膝の上で、私は完全に横抱きにされている。
「ちょっ、専務!ここは会社で、勤務中!!」
慌てて飛び降りようとする私を彼は両腕でゆるく拘束した。
「もう、雄一郎さん!ふざけないで、」
「美弥子。ちょっと顔色が悪いぞ。」
目を吊り上げて怒ろうとした私の頬を彼の手がそっと撫でる。彼はそのまま私の眼鏡をスルリと外してデスクの上に置いた。
「目の下も隈が出来てるし…」
目元を親指で擦られてちょっとこそばゆい。
「ここのところ、頑張りすぎじゃないか?美弥子。」
「雄一郎さん…」
「お前働かせてる俺が言うのもおかしいが、敢えて言うぞ。美弥子は働き過ぎだ。」
その眼はいつになく真剣で、少し強めの口調だ。今まで家でも職場でも彼からそんなふうにきつめに注意されたことのなかった私は、ちょっとたじろいだ。