課長、サインを下さい!~溺愛申請書の受理をお願いします。
 「……嫌か?」

 課長は私の目じりに浮かんだ涙を指先で拭いながら、窺うように私に聞いた。

 ―――嫌か、嫌でないかで聞かれると…

 「いや…ではありません。」

 かぶりを振ってそう答えた。

 「良かった。」

 「ですが…」

 「なに?」

 「あの、、、朝ですが…」

 「だな。それで?」

 「そ、その…明るいです…。」

 朱くなった顔を隠したくて横を向くけど、窓の外の明るさで誤魔化すことも出来ない。
 明るい時間になんてことを…と思うと恥ずかしくてたまらない。
 
 そんな私の様子を見ていた課長は

 「大丈夫。可愛い美弥子の顔がよく見える。」

 満足そうにそう甘く囁いて、彼は私の目じりに小さく口づけた。
 
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