課長、サインを下さい!~溺愛申請書の受理をお願いします。
課長が与える刺激に少しずつ慣らされていった。
そのほとんどが私にとっては初めてと言ってもいい行為で、それを受けるたびに羞恥と戸惑いで体が固まる。
そうなると必ず課長は一旦それを止めて私を優しくなだめた。
口づけをして「好きだ」「可愛い」と囁いたり、
頭を撫でて、髪を手で梳いたり、
強く抱きしめて背中を大きく擦ったり、
そうしてその都度私の緊張を解きながら少しずつ進めて行った。
そうやって長い時間をかけて体を懐柔しては、弱いところを一つ一つ探し当て丹念に攻められ啼かされ続けた私の体は、とろとろに溶けきってもうどこにも力が入らない。
ぐったりとしている自分の姿が恥ずかしくて隠してしまいたいけど、隠せるものも隠れるところもない。
潤んだ瞳だけでも隠してしまいたくて、両手で顔を覆った。
「美弥子。」
名前を呼ばれたから、指の隙間を少し開けて課長を窺う。
すると、「くすっ」と笑った彼と目が合った。
私の両手首を握ってそっと顔から退かせた彼は、私の耳に顔を寄せて
「綺麗だよ。」
と囁いた。
思わずピクリ、と反応すると「やっぱり一番は耳だな。」とニヤリとしながら言う。