課長、サインを下さい!~溺愛申請書の受理をお願いします。
ドライブのあとは、海辺の素敵なフレンチレストランに連れて行かれた。
素敵な雰囲気の店内に入ると、海の見える大きな窓の横のテーブルに案内される。
雄一郎さんは運転があるからペリエを頼んだけれど、私には、折角だからとグラスでシャンパンを頼んでくれて、二人で乾杯した。
「美弥子、誕生日おめでとう。」
「ありがとう、雄一郎さん。」
暮れてゆく海を眺めながらお料理を頂く。
どれも繊細で美しいその料理は、味もすばらしくて驚きと感動の連続だった。
こんな素敵なお店…前の奥様と来たのかしら…。
胸の奥がチクリとした。
私が少しだけ眉を潜めたその時
「苦手な味だったか?」
雄一郎さんが心配そうに聞いてきた。
「いえ…そんなことないよ。」
「じゃあ、どうかした?」
「ん…雄一郎さんがこんな素敵なお店を知ってたことにちょっと驚いてるところ。」
なんでもないから、と笑って誤魔化す。
「ああ。前の職場では接待とか付き合いとかが結構あったから、情報だけは色々仕入れていたからな。ちなみにここは初めて。」
最後の台詞のところでニヤリ、と口の端をあげて笑う。
「美弥子と来れて嬉しいよ。」
私のちいさなヤキモチなんて彼にとってはお見通し。
でもその彼のたった一言で、胸に刺さっていた小さな棘がスッと消えていって、私は自然と笑顔になった。
「私も嬉しい。連れて来てくれてありがとう。」
ちょっと照れくさかったけど、頑張ってそう口にすると
「……後で覚えておけよ。」
と、なぜか顔を赤らめた彼に、上目使いで恨めしそうにそう言われた。
素敵な雰囲気の店内に入ると、海の見える大きな窓の横のテーブルに案内される。
雄一郎さんは運転があるからペリエを頼んだけれど、私には、折角だからとグラスでシャンパンを頼んでくれて、二人で乾杯した。
「美弥子、誕生日おめでとう。」
「ありがとう、雄一郎さん。」
暮れてゆく海を眺めながらお料理を頂く。
どれも繊細で美しいその料理は、味もすばらしくて驚きと感動の連続だった。
こんな素敵なお店…前の奥様と来たのかしら…。
胸の奥がチクリとした。
私が少しだけ眉を潜めたその時
「苦手な味だったか?」
雄一郎さんが心配そうに聞いてきた。
「いえ…そんなことないよ。」
「じゃあ、どうかした?」
「ん…雄一郎さんがこんな素敵なお店を知ってたことにちょっと驚いてるところ。」
なんでもないから、と笑って誤魔化す。
「ああ。前の職場では接待とか付き合いとかが結構あったから、情報だけは色々仕入れていたからな。ちなみにここは初めて。」
最後の台詞のところでニヤリ、と口の端をあげて笑う。
「美弥子と来れて嬉しいよ。」
私のちいさなヤキモチなんて彼にとってはお見通し。
でもその彼のたった一言で、胸に刺さっていた小さな棘がスッと消えていって、私は自然と笑顔になった。
「私も嬉しい。連れて来てくれてありがとう。」
ちょっと照れくさかったけど、頑張ってそう口にすると
「……後で覚えておけよ。」
と、なぜか顔を赤らめた彼に、上目使いで恨めしそうにそう言われた。