課長、サインを下さい!~溺愛申請書の受理をお願いします。
ハンドルに寄りかかっていた雄一郎さんが素早く身を起こし、シートベルトを外して私の方に体を乗り出した。
「ごめん、美弥子。」
私の体を覆い被さるようにして抱き寄せた彼は、それまでの低い声とは打って変った頼りなさげな声で話しだした。
「お前に呆れたわけじゃない…溜め息は自分に呆れて出たんだ。」
「雄一郎さんが、自分に?」
「ああ。まるで余裕が無い自分にな。」
「……?」
「俺はお前とまだ一緒にいたいと思ってる。お前を離したくなくて、このまま自分のマンションに連れて帰りたくて仕方がないんだ。だけど自分ちに帰りたがるお前はそんなことはなくて、一緒にいたいのは俺だけだ、と思ったんだ。でもお前が帰りたい理由は俺の為だった…。ハッキリ言ってこんな風に余裕がなくなるなんてガキみたいで、いい歳こいたおっさんが情けない…って呆れたのさ。」
そんなことを思っていたの!?
半信半疑で、彼の胸から顔を上げようとしたけれど、きつく抱きしめられて彼の顔を見ることが出来ない。
「ゆ、雄一郎さん?」
「今は見るな。」
私の頭を撫でながら髪に口づける。
きっと言い辛いことだったはずなのに、ちょっとのことで戸惑ってばかりの私にちゃんと分かるように話してくれる。そんな彼のことが愛おしい。
「そんな余裕のない俺の願いを聞いてくれるか?」
「…はい。」
私を抱きしめていた腕を緩めた雄一郎さんが私の顔を覗き込む。
「俺のマンションに来てほしい。今から荷物を持って戻ってきてくれるか?」
「はい。」
彼を見つめながらにっこりと微笑んで答えると、
「ありがとう。」
彼は嬉しそうに言って、私の唇に自分の唇を優しく重ねた。
「ごめん、美弥子。」
私の体を覆い被さるようにして抱き寄せた彼は、それまでの低い声とは打って変った頼りなさげな声で話しだした。
「お前に呆れたわけじゃない…溜め息は自分に呆れて出たんだ。」
「雄一郎さんが、自分に?」
「ああ。まるで余裕が無い自分にな。」
「……?」
「俺はお前とまだ一緒にいたいと思ってる。お前を離したくなくて、このまま自分のマンションに連れて帰りたくて仕方がないんだ。だけど自分ちに帰りたがるお前はそんなことはなくて、一緒にいたいのは俺だけだ、と思ったんだ。でもお前が帰りたい理由は俺の為だった…。ハッキリ言ってこんな風に余裕がなくなるなんてガキみたいで、いい歳こいたおっさんが情けない…って呆れたのさ。」
そんなことを思っていたの!?
半信半疑で、彼の胸から顔を上げようとしたけれど、きつく抱きしめられて彼の顔を見ることが出来ない。
「ゆ、雄一郎さん?」
「今は見るな。」
私の頭を撫でながら髪に口づける。
きっと言い辛いことだったはずなのに、ちょっとのことで戸惑ってばかりの私にちゃんと分かるように話してくれる。そんな彼のことが愛おしい。
「そんな余裕のない俺の願いを聞いてくれるか?」
「…はい。」
私を抱きしめていた腕を緩めた雄一郎さんが私の顔を覗き込む。
「俺のマンションに来てほしい。今から荷物を持って戻ってきてくれるか?」
「はい。」
彼を見つめながらにっこりと微笑んで答えると、
「ありがとう。」
彼は嬉しそうに言って、私の唇に自分の唇を優しく重ねた。