君にもう一度会うために。
ゲーセンを出た後は近くのアイス屋さんに行った。

もう私たちは何を食べるか聞かなくてもわかる。
だって彼は決まって。

「すいません。バニラとストロベリー下さい。」

ストロベリーを頼むってお決まりだから。

私はオーソドックスなバニラがお気に入り。
私の好みもしっかり把握しているのはきっと彼だけだと思う。

「ほんと好きだよね。ストロベリー♪」

前にどうしてストロベリーなの?って聞いたことがある。
そしたら迷わず彼はこういった。

甘酸っぱくて恋の味っだって聞くから。

そういってニカッと笑ったことを覚えている。
その時丁度太陽の光と重なり、輝いていたのが印象的だった。

「だってほら?恋の味じゃん?」

そういって少しアイスを口に含み、私をグイッと引き寄せる。
重なる唇から伝わる、甘酸っぱいイチゴ味。

「ほらね?」

びっくりする私に、悪戯な笑顔でペロッと下を舐める。
一瞬、時が止まったかのようにも思えた。


ぼっと顔が一気に赤くなる。
私はそっぽをむいて黙り込む。

ずるいっ////

と心の中で呟いた。

自分でもわかるほど、甘い時間が流れている。
あぁ、周りはバカップルだと思っているよね。
でも、それ以上に、、、。

この時間が大切過ぎて。
もっともっと。

この時間が続けばいいなっておもってしまう。

もうすぐ、夕暮れになってしまう。

タイムリミットまであと少し。

「きゃっ!?」

いきなり彼はグイッと私を引き寄せ抱きしめた。

「ねぇ、行きたいとこがある。」

私が暗くなっているのを察したのか。
耳元で甘く、でもどこか切ない声で囁いた。

行きたいとこ。
どこだろう?

私はそのまま彼に手を引かれ歩き出す。

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