君にもう一度会うために。
「幸せだった。」

彼はたった一言そういった。
その言葉を聞いたら、ボロボロと大粒の涙が零れ落ち視界が滲んだ。

「っわたっしも、、幸せだっ、、、。」

泣き声でうまく喋れないけど一生懸命声を振り絞って伝えた。

私も幸せだった。
本当に、愛して・・・。

その瞬間がばっと彼は抱き着き、今までで一番強く抱きしめキスをした。
夕陽の光が重なり私達はまるで一枚の絵になるような。
静かで、この世で一番だと思えるくらい。
幸せなキスを交わした。

口を遠ざけると共に沈む夕焼け。
そして。

・・・・・・-タイムリミット・・・・・・・・

体が完全に離れる頃には私の姿は薄れていく。
透き通り、もう触れることも許されない。

でも最後に幸せな時間を貰った。
私は溢れるばかりの涙を拭い。
最後にこれまでないくらいの笑顔で言った。

「バイバイ。」
< 6 / 9 >

この作品をシェア

pagetop