君にもう一度会うために。
-------・・・・光が無くなると共に消えた俺の愛おしい彼女。

彼女と出会ったのは、高校生の時だった。

同じ部活で、いつも放課後まで最後まで二人で残り沢山の話と楽しい時間を貰った。

そんな彼女に惹かれ惚れるのに時間はかからなかった。
人生生まれて初の告白。
心臓が破裂するのではないかと思うくらいドキドキした。

〈俺と付き合ってください。〉

彼女は少しだけ驚いた顔をしたけども、すぐに優しい笑顔ではいと答えた。

それから、何度もデートをした。
いろんなところに行った。
遠くに温泉にも行ったし、デパートのスイーツバイキングで食べ過ぎて、二人で苦しいなって言いながら笑い合ったりもした。

とても幸せで、俺は彼女に夢中だった。
彼女がいない世界なんてありえないと思っていた。

だけど、別れは突然だった。

彼女は両親が運転する車で、おばあさんの家に向かう途中亡くなった。
それは付き合って一年半頃。
卒業式前日の話だった。

あれから5年。
心に穴が開いたような感覚が取れないまま俺は社会人になっていた。
仕事に追われる日々で、色恋沙汰も全くない。

いくつ年を越えようと。
彼女が心の中から消えることは一度もなかった。


そして迎えた5回目の命日。

俺は毎年墓参りを終えた後に必ず思い出場所に行くことにしていた。

沈む夕日を見つめながらなぜか零れ出た言葉。

「彼女に、もう一度、、、会いたい。」

そして一粒の涙が零れた。
あぁ俺は・・・。

あの時から時間が止まったままなのだ。
彼女に会いたい。
もう一度彼女の顔を見たい。

あの優しくて、ひまわりみたいな笑顔が大好きだった。

今でも目を瞑ると彼女の姿を思い出す。

そんなことを思っても、彼女はもう。
帰ってくることは無いのに。

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