脱出可能枠は一つだけ
《「自分が助かるためなら、例え人を陥れようが何でもするの。それが人間に与えられた宿命」》

人間性が問われた

このゲーム、分からない

逃げればいいってわけでもないし、かと言って指令に忠実に従っても、裏目に出ることがある

事実、さっきの指令がそうだ

あの4人以外の皆は、「自分だけ助かるなら、一緒に捕まった方がいい」という思考の人

もしくは、裏切れるような証拠がない人

『それでは三十分間、鬼から逃げてください』

ガチャン!

「お、おい。開いたぞ!」

「行くぞ」

「あ、あたしも!」

「僕も!」

クラスの殆どはみんな逃げた

残ったのは、あたし、美月、聖歌。そして───

裏切られた4人。愛佳、英治、檸檬、そして聖夜

聖夜は、カンニングしていたと言われたらしい

本人によれば、していないらしいけど。

でも、あたしはしてないと思うよ?聖夜は、そんなことするような人じゃないし・・・・・・ね

「・・・・・・行きましょ」

美月と聖歌が、懐中電灯を掴んで出ていく

あたしも一つ、懐中電灯を掴み

教室を出た


狂ってる

狂ってるよ、このゲーム

それに

「確かに、非科学だよ・・・・・・」

子供が瞬間移動したり、見られてるわけでもないのに放送が的確だったり

鍵をかけてもないのにあかなかったり、かと言って開くようになるし

「狂ってるよ、このゲーム・・・・・・!」

そう言って、思い出す
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