脱出可能枠は一つだけ
東奔西走

救出

タッタッタッタッ・・・・・・

あの足音が聞こえる

「逃げようっ」

美結の言葉と同時に、五人で走り出す

タッタッタッタッ・・・・・・

ダダダダダダダダッ!

「え、なっ」

足音が変わった?!

振り返ると、そこには

3人の肩の隙間から、男の子があたしたちに負けないくらいのスピードで走っていた

あたしたちは、もうすぐ渡り廊下に差し掛かるところ

そして、彼は────

もう、すぐそこまで来ていた

「追いつかれるっ・・・・・・!」

そう、聖歌が叫んだ瞬間

「つかまえたっ」

語尾に音符が付くくらい、陽気で楽しそうな声が聞こえた。その瞬間

ヒュン

音を立てて、男の子と

舞美が消えた

「え・・・・・・」

残った4人は呆然とする

『ザザ・・・・・・ガ・・・・・・古川舞美、安達悠里、確保』

今度は、屋外スピーカーから声が聞こえた

「か、カミサマ!舞美は、舞美をどこにやったの?あたしたちは、出られるの?!」

あの内気で大人しい聖歌が叫んだ

『古川舞美たちには、今後なってもらいます。そして、あなた達の中でここから脱出できるのは────』

そして、これまでにないくらい、最悪の言葉が飛び出した

『────1人だけ』

「え・・・・・・」

1人?

1人しか、助からないの?!

「え、ちょっ・・・・・・」

『三十分が経過しましたのでお告げを言いましょう。二つ目は・・・・・・救出』

へ?救出?

なにそれ・・・・・・
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