脱出可能枠は一つだけ
〜in グラウンド〜

「意外と広いよねー。うちの学校のグラウンド」

「そりゃ、サッカー部の練習にバリバリ使われてるし。サッカー部、県内では結構有名らしいし」

グラウンドを歩くあたしたち4人

靴を履いたあと、あたしは教室の窓から中庭に飛び降り、危険がないか確認してみんなに降りるよう伝えた

あたし、運動神経だけは抜群なんだ!

自慢じゃないけど、あたしの数少ない得意技なんだから!ちょっとは大目に見てくださいっ!

「もう、結月ちゃん。窓から飛び降りちゃった時は心臓止まるかと思ったよ・・・・・・」

「あはは。ごめんごめん。でも、美月は見慣れてるでしょ?」

「そうね。六年生の頃は学校の屋上から・・・・・・」

「あ、それあたしの黒歴史だわ。言わなくてい「飛び降りて片足骨折」」

え"え"え"え"え"え"え"ーーーーっ!

い、言わないでって言ったじゃん!なんでさらっと言ってんの?しかも悪気なさそうに!

「え"・・・・・・ちょっと、危ないでしょ」

美結も呆然と美月を見つめた

そしてあたしにそろっと視線を移す

「あはは・・・・・・ちょっとバランス崩しちゃって」

「普通の人ならただじゃ済まないよ・・・・・・」

聖歌も呆れたようにあたしを見つめる

ま、昔の話だしね?あたしの運動神経はお父さん譲りだし!

美月の頭の良さはお母さん譲りかな?
うん、絶対そうだ

「何人かはグラウンドにいるみたいだけど・・・・・・あたしたちはどうする?」

「うーん・・・・・・助けなきゃいけない、かぁ」

「だれなのかな?」

「知らない」
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