脱出可能枠は一つだけ




沈黙が流れる

最後に生き残ったのは

紛れもなく、あたしだけだった

最期に美月は、自分の身を挺してまであたしを助けてくれた

なのに、あたしは

姉らしいことなんて、一度も・・・・・・っ

ざっ・・・・・・ざっ・・・・・・

突然、砂を踏みしめる音が聞こえた

誰だろう?

どうせ、鬼に決まってる・・・・・・それ以外にいるはずが無い

どうぞ、いくらでも連れてってよ・・・・・・そう、思ったのに

「大丈夫・・・・・・?」

ハッとした

この声は・・・・・・!

「は、なちゃん・・・・・・」

振り返ると、そこには

華ちゃんがいた

「お疲れ様・・・・・・結月ちゃん」

ねぎらいの言葉をかけてくれる華ちゃん

でも、それより重要なことがある

「華ちゃん・・・・・・今までどこにいたの?」

「私?私は・・・・・・放送室にいたよ」

言いにくそうに言う華ちゃん

それじゃあ、カミサマは・・・・・・

「カミサマは、私だよ・・・・・・」

頭がヒートした

なんで?

なんで?

なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで

嘘、でしょ?

「う、嘘だよね?ずっとほかのところに隠れて・・・・・・「なんか、ないよ」」

ほんと、なんだね?
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