脱出可能枠は一つだけ
エピローグ
〜結月 side〜

あれから、二ヶ月がたった

華ちゃんの泡に触れた瞬間、全ての・・・・・・

四人分の記憶を持ったあたし

あれから、あたしは日が暮れるまで体育館にいて、そして家に帰った

でも、何故か

家族から美月の記憶は消えていたんだ

ううん、皐月中学二年A組全員の生徒のことを・・・・・・誰一人として覚えていなかった

まるで、元から存在がなかったかのように

それなのに、何故かあたしはみんなの事を覚えていて

それに、あたしはB組ということになっていた

だから、あたしは彼らの存在を肯定するために、ある噂を流した

『とある中学校の二年A組の生徒全員が一夜にしていなくなった』と

そして、もう一つ裏の噂を流した

『そのクラスから一人、女の子が生き延びて違う学校に転校した』と

前者はアプリによって拡散され、後者は裏の噂として話題になった

でも、それも少しの間だけ

表沙汰になることもなく、風の噂として消えていった

でも、一つ気がかりなことがある

美月が言っていた事件は、真帆さんがカミサマだった時のことで

でも、それは一つの事件として扱われ、ちゃんとほかの人の記憶もあるのに

なんで、華ちゃんがカミサマの時には記憶が消えたのか

謎が解けないまま、あたしは転校した
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