脱出可能枠は一つだけ
あはは・・・・・・

「早く着きすぎたかな?」

「そうかもね」

三人で椅子につきながら、あたしは充電を100%にしてきた自分のスマホを取り出し、L〇NEを開く

そして、『着いたよー』と送った

次々に既読がついていく

『おっけー。待ってて』

そんな感じの返信がいくつも来た

ここで一息つく

軽く、不法侵入っぽいことしちゃったけどなぁ・・・・・・ま、いっか

忘れ物、取りに来ただけだし?

「結月ちゃん、これ、飴玉。良かったら食べて?」

聖歌がゴソゴソとリュックサックから何かを取り出し、あたしに差し出してきた

それは、飴玉が沢山入ってるお菓子のパッケージ

そして、聖歌の手には飴玉が一つ、乗っていた

「わぁ!ありがとー」

飴玉を受け取って、早速舐める

イチゴの甘味が口いっぱいに広がった。うーん、美味しい!

「美味しい!ありがとう、聖歌」

「えへへ・・・・・・どういたしまして。美月ちゃんも、はい」

美月にも飴玉を渡している聖歌

あたしもリュックサックからビターチョコを取り出し、二人に配る

その時、不意に教室の扉が開いた

「一番乗りー・・・・・・じゃなかったか」

「英治!」

「英治くん!」

「・・・・・・」

ザ・男の子と言ってもいい男子、英治だ

お調子者で、クラスのお笑い担当の男子って、1クラスにだいたい5人くらいはいるよね?
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