Home * Love 〜始まりは、キス〜
「お宅の大事なお子さんを怪我させてしまい
申し訳ございませんでした。」
私は、そう言って深く頭を下げる。
「まりなはねぇ、今週の土曜日に
バレエの発表会があるのよ?
これじゃあ、発表会踊れないじゃない。」
深くため息をつき、自分の子どもの怪我した足を
母親のあたたかい目で見ていた。
「本当にすみません。
まりなちゃん、痛かったでしょ?本当にごめんね?
ほら、多実ちゃん…一緒に謝ろう?」
「嫌!」
多実ちゃんはプイッと顔を背ける。
「多実ちゃん!」
私達のやり取りに
キッと目付きが変わり
こちらを睨む。
「全く………あなたみたいに子どもに育てられる
子どもなんて聞いた事ないわ。これだから、こんな事故が起きてしまうのよ。」
この言葉が、私の胸にグサリと突き刺さる。
「鈴〜〜」
この雰囲気に耐えかねたたろちゃんが
涙を溜めて、私の元に来て
袖をぎゅっと握った。
その時。
「まりなは強い子だからこのくらいの怪我大丈夫だよな?」