Home * Love 〜始まりは、キス〜
ベランダから少しだけ身を乗りだして、
仕切り板の横から顔を出してきた梅田さん。
―――急に梅田さんが現れたから、かなり驚いてしまった。
「悪い………」
と、顔をひっこめる梅田さん。
「3人して、急にいなくなるなよな。
普通に驚くし。」
小さくなった声は
寂しそうに聞こえる。
せっかく、心の入り口を
ヒモで縛ったのに、
梅田さんは、こんな風に
私の心に綻〔ホコロ〕びを作っていって―――
ヒモをまた、結び直さないと。
今ならまだ、間に合う。
「すみません…
梅田さんに電話が来たので
自分の部屋に帰りました。」
自然とぶっきらぼうな言い方になってしまう。
可愛くない私。
「そうか…」
顔が見えない
今なら聞ける気がする━━━
「電話、彼女からですか?」
彼女の事。