Home * Love 〜始まりは、キス〜




「………ああ。話、聞こえてた?」



「…いえ。梅田さん…彼女いるんですよね。どんな人なんですか?」


「―――そうだな。
真っ直ぐで一直線。我が道を行くタイプ?」

ワントーン上がった梅田さんの声。



「………意外…ですね。」


「そういう所に惹かれたんだけどな。…可愛い所もあるし?」



じわ〜っと目頭が
熱くなってきて。


私はバスタオルで顔を覆う。


堪えるなぁ・・・

好きな人から、
彼女の話を聞く事って。


でも、
知りたくなっちゃうのは
どうしてだろう?


「彼女と…会えてるんですか?」


梅田さんと出会ってから今まで、

彼女といる形跡が全くなかったから、

これは聞いておきたかった。

だいぶ前に、愛梨が言ってたし。

梅田さんは、
かなり訳アリの
遠距離恋愛だって。



「会えねぇって。」


と、梅田さんの低い声と共に
何かの缶が潰れるような音がしたんだ。




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