Home * Love 〜始まりは、キス〜
・あなたの為に出来る事
アブラ蝉の鳴き声が
耳に鬱陶しく響く
7月の中旬の金曜日の昼下がり。
今日は、幼稚園は午前中でおしまい。
私も丁度よく
学期末テストの為午前中で終わり。
そんな中━━━…
チリン…チリン…と
ベランダに飾ってある風鈴の高いガラス音が聞こえ始めた。
風が吹き始めたらしい。
たろちゃん、多美ちゃん、私の
3人で棒アイスかじりつきながら
特に何をするわけでもなく
まったりと過ごしていた。
「ねぇ、多美?」
「なぁに、たろ…」
「今日の貴也先生おかしかったよな?」
「うん!」
多美ちゃんは大きく首を振った。
そんな会話を隣できいている私。
「何かあるのかなセンセ。」
「わかんない…」
ついに…その日が来てしまったようで。
そんな気がしたんだ。