Home * Love 〜始まりは、キス〜




私も梅田さんの部屋に急ぐ。


梅田さんの部屋へと入る。

いつ見ても綺麗に片付いている玄関。

今はもう、カップ麺だらけのゴミ袋はない。



廊下を進み、
リビングの曇りガラスが付いたドアを開ける。

「涼し…お邪魔します…」


私を見て微笑む梅田さん。
手には2人が渡した
オレンジの棒アイス。



「鈴が来たー!」

「ちゃんとアイス渡したよ〜?」


「………うん。」




梅田さんの部屋は、
全体的に焦げ茶色の家具で統一されていて。

テレビ横に掛けられている、シンプルなカレンダー。


今日の日付には

“13時30分 空港”

と書かれていて。


なのに、現在の時刻は
14時ちょっと過ぎ。


私の予想は確信に変わった。



「梅田さん…彼女は…」


私の言葉に、
深いため息をついてから
こう言った。

「何か、来れないって。
有名なバレエの振り付け師がイギリスに来るんだって。
まぁ、こんな事はいつもの事だし?なんともないよ。」



テーブルの上に広げられていたのは

一冊のバレエ雑誌。


「そんな………」



< 140 / 323 >

この作品をシェア

pagetop