Home * Love 〜始まりは、キス〜
「………っ」
唇を噛み締める梅田さん。
「早くしないとこの笑顔…
なくなっちゃいますよ?
彼女、絶対に梅田さんの事待ってます。」
私は、棚の上に置いてある
梅田さんと彼女の写真が入っている写真立てを
梅田さんに渡した。
「………ありがと。俺、由夏の所に行ってくるわ。」
「ん。」
私は僅かに頷く事しか
出来なかった。
「梅田さん…この部屋の事は心配しないで下さい。
あなたが戻ってくるまで、私が……」
「仕事あっから…夏休み中には戻ってくるよ。」
「うん、早く行って…下さい。」
今にも
涙が溢れそうだから。
「じゃあ、よろしく頼みます…」
━━━そう言って梅田さんは
彼女が待っている
イギリスへと向かった。