Home * Love 〜始まりは、キス〜
『貴也……………!』
教室の窓から
暗くなっている
グラウンドを見ていた由夏。
彼女が振り返り、
俺の存在に気づくと
目を大きくして驚き
顔がほんのり
紅潮しているように見えた。
『どうしたこんな時間に?
何か見えるのか?』
俺は由夏に歩み寄る。
『んん…何でも…ない。
部活、終わったの?』
『ああ、さっきな。』
・・・・・
時が止まったかのように
沈黙の時間になり。
ほんの少しの時間の沈黙を
破ったのは
『貴也はさ、好きな人いるの?』
由夏だった。
また、グラウンドの方を
向きながら俺に訊ねた。