Home * Love 〜始まりは、キス〜
「鈴ちゃん、
来週…誕生日なの?」
ミルクを作っている私に、
梅田さんは訊ねた。
え…………
何だろ?いきなり………
あ。
そういえば…この前
多実ちゃんがカレンダーに
私の誕生日の事、書いてたな…
「はい…。
あ。ミルク出来たよ〜」
丁度ミルクがあたたまり、私はマグカップをお盆に
のせてリビングに運ぶ。
「………そうなんだ。」
「「やったぁ…ミルク、ミルク〜」」
たろちゃんと多実ちゃんは大はしゃぎで。
━━━━この時。
私達の知らない所で、
何かが動き始めているなんて。
まだ、知るはずもなく。
閉ざして冷たくなっていたココロは…
ホットミルクであたたかくなり
ゆっくりと溶けて、
開いていった。
“梅田さんが近くにいるだけで、幸せ…”
そんな事を思っていた。