Home * Love 〜始まりは、キス〜





ドアを開けた、その時。

「風邪…良くなったか?」

梅田さんは
優しくそんな事を聞いてきた。

これで、
私の体温はまた、少し上がったようで

顔にポッと熱を持ったのが分かる。

私が小さく頷くと、

「本当に?」

と、また手が伸びてきて。



ピピピ…

やっと鳴った!


梅田さんの手を右に回避する。





「ね…熱なんてありません!ほら!」


私は梅田さんに
体温計を見せつけた。

さっき、
平熱に戻ってたんだから!






「………37.6
まだ熱あるじゃん。」




「鈴ちゃん、お熱あるの〜?大丈夫〜?」

「朝から元気なかったもんな。」

体温計を覗き込み、
口をへの字にして
不安そうにしている
たろちゃんと多実ちゃん。


「部屋、あがるよ?」



< 193 / 323 >

この作品をシェア

pagetop