Home * Love 〜始まりは、キス〜





その消えそうな、細い声に…
私は、呼吸をするのを忘れ。


―――梅田さん。
それは、私に行くなって…
言ってるの?









嬉しいけど、何だか複雑だよ。

だって、梅田さんには
彼女がいるんでしょう?


いつも、いつも…梅田さんの
その優しさが苦しいんだ━━━





「どうしてそれを…」

「昼に、ここに来た時さ…
パリ行の航空券見たから。」

「見られちゃったんだ…
梅田さんには内緒にしてたのにな…」



流れる沈黙。

梅田さんは、背を向けたままで。


「…くな………」


「え?」





< 207 / 323 >

この作品をシェア

pagetop