Home * Love 〜始まりは、キス〜
「行くなよ。」
梅田さんのその言葉で、
私の感情を閉じ込めていた
心の入り口を縛っていたヒモは
完全にほどけて、
感情が露になった。
「なんで、そんな事言うんです?
彼女いるじゃないですか。
それに………
たろちゃんと多実ちゃんには、
親が必要なんです。
それくらい、分かりませんか?」
「………何を勘違いしてるんだか分からないけど。
」
低くなった梅田さんの声。
ゆっくり振り返り、
私の方に歩みよる。
「鈴…航空券は3枚あったけど。
たろと多実も向こうに連れていく気?」
ベッドの横に座り込む梅田さん。
近くなった顔。
私は、咄嗟に
梅田さんに背を向けた。
「当たり前です。」