Home * Love 〜始まりは、キス〜
「俺は、いきなり見ず知らずの土地に2人を行かせるのはどうかと思うけど?
言葉も違ければ、文化も違う。
こっちの方がよっぽど負担がかかる。」
そんな梅田さんの大人の意見に
私は何も言えなくなる。
自分の子供な考えに、
腹立たしくなって…
恥ずかしくて。
口をぎゅっと結んだ。
泣いちゃ、いけない。
「なんてな。こんな事言ってるけど
本当は、俺が鈴ちゃんに行ってほしくない。
そばにいてほしいんだ。」
さっきとは正反対の
梅田さんの甘い声。
背中に伝わるその声に、
背筋がゾクゾクして。
思わず起き上がった。
「だから…梅田さんには、由夏さんがいるんでしょ?そういう事、言わないで下さい。」
「だな、
由夏がいんのに最低だ、俺。」
「梅田さんは寂しいだけです。
由夏さんがいなくて。
私は由夏さんの代わりには……………
なれま…せん。」
溢れてくる涙。
止まる事なく
どんどん流れてきて。
恋が、
こんなに心が抉〔エグ〕られるほど
辛い事だなんて。
「寂しいから
こんな事言ったんじゃない。」
口でだったら何とも言えるね。