Home * Love 〜始まりは、キス〜
何故に
通りすぎるのか―――!
許さない!
「ちょっと、待ちなさいよ!」
私の声に反応した梅田さんは、ゆっくり振り返る。
「あ?」
何だその顔。
「わ…私に何か言うことないの?」
「特に………アンタはもう言うことないのか?」
「どうして…キ…キ…キ」
今。気付いた事がある。
私の大きな声に反応したのが彼の他にもいられるようで。
車から降りてきた人。
買い物が終わり店から出てくる人。
―――私達は注目の的だった。
だから、「どうしてキスしたのよ?」
って言えるわけもなく。
「バーカ」
奴(梅田さん)は、
そんな一言を残して、私の元から去っていったのだった━━━━
しまいには、
私達の様子を見ていた
ギャラリーの方に
くすくすと笑われる始末。
やっぱり奴は最っっっ悪男だ!
もぅ、絶対にあんな男とは関わるもんか!
と心に誓い、
トマトケチャップを買った。