Home * Love 〜始まりは、キス〜




*****



「本当にッありえないよ!奴は!」


バンッ………!


私は冷蔵庫の扉を思いっきり閉めた。


―――只今、午後の2時、バイト中でございます。

お昼のピークも過ぎ、丁度一段落してきた所でして。

食材補充中。



「あのキス男と何かあったの〜?」

愛梨ちゃんは隣でピザソースを作りながら、不思議そうに私に聞いてきた。

愛梨ちゃんには
梅田さんとの出来事も…
昨日の夜、電話で全て話した━━

彼女がいるらしい事も。
キスされた事も。




「あの男は本当に最悪な男だよ!愛梨!

さっき、奴とコンビニで会ったんだけどさ?」


「会って、どうなったの?」

一瞬、ソースを作る手の動きが止まる愛梨。




「………ハ…はめられた。」

「へ?」




「私が大きい声出したらね…気付かないうちにギャラリーが集まっちゃってて。
キスの事言おうとしたけど、言えなかったんだよ。
そしたら私を嘲笑うかのように“バーカ”って……」

今思いだしたら
凄い悔しくなって。

視界がボヤける。

「もう…お隣さんとやってけないよ。」


私の言葉に愛梨は、
ただ頷いて聞いているだけだった。


「でも―――」



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