Home * Love 〜始まりは、キス〜
・それぞれの愛の形
「取り敢えず、あがって?」
私は、両親を中に通して、
玄関のドアを閉めた。
「鈴、誰か来てるのか?」
そう言って、
お父さんは視線を下に向け…
梅田さんの靴を見つめた。
「あ………
たろと多実ちゃんの幼稚園の先生がね、私の事…看病してくれてね。
その先生、梅田さんって言うんだけど。
隣の部屋に住んでるのよ。」
「……………そうか。」
お父さんは険しい顔をして、考える素振りをしながら頷いて。
「鈴ちゃん、風邪は大丈夫?」
それまで黙っていた、
お母さんが口を開く。
「うん………大丈夫…」
━━━両親が来てくれて、
嬉しいはずなのに。
私の気持ちは複雑だった。
それより、不満の方がとても
大きいんだ・・・・・