Home * Love 〜始まりは、キス〜





「たろ〜、多実〜、良かったな〜

これからパパとママと一緒に
暮らせるんだからな?」

両親が部屋を出た、直後。



梅田さんは2人の頭を撫でながら

嬉しそうに、明るい声で言った。

こんなに明るい声…初めて聞いた。

きっとこれが…
幼稚園の先生の梅田さんなんだ。





「凄く嬉しいんだけどさ。
今日で幼稚園おしまいになるんだろ?
寂しいな…」

「多実も…………」


2人の、嬉しそうな顔に少しずつ

影がかかる。




「そんな事言うな…?
一生会えないわけじゃない。
いつでもこっちに遊びに来なよ。」





「「うん!」」

2人の顔に、また、
ぱぁ…っと笑顔が広がって。


「じゃあ、今日は楽しい幼稚園にしような?

準備して、早く行こう!」



梅田さんとの別れまで、
あと数日。

私に何が出来るのだろう?


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