Home * Love 〜始まりは、キス〜
「これ…貴也センセがね…
鈴ちゃんにって…」
多実ちゃんはそう言って、私の頭を撫でながら
絵本を私に差し出した。
「梅田さんが?」
私は、
さっき多実ちゃんがかけてくれた毛布にくるまってから、
絵本を受け取った。
「そ。センセは鈴ちゃんの事大好きなんだね。」
「ハッ…まさかっ…」
視線を下に移す。
今の多実ちゃんの言葉は
今の私には痛くて。
鼻で笑ってしまった。
「本当だよ?」
多実ちゃんは私の隣で
体育座りをして、真剣な眼差しで私を見つめる。
私はゆっくりと絵本のページを捲った―――