Home * Love 〜始まりは、キス〜

・それぞれの想いと別れ






━━━朝。

一睡も出来なかった私は、
リビングで窓越しに
爽やかな住宅街の朝の景色
を見ながら

熱々の苦いコーヒーに
口を付けていた。



冷たい水でどんなに顔を冷しても

あたたかいタオルで目元をあたためても

目の腫れぼったさは取れない。

“酷い顔……………”

ガラスにうっすらと移る自分の姿に

そんな事を思った、その時。



ピンポーーーン

部屋のインターホンが鳴った。


“朝から誰だろ………”


「…はい」








〈…突然すみません…

笠原 由夏と申しますが…〉



由………夏………さん?



―――頭が真っ白になった。



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