Home * Love 〜始まりは、キス〜




*****


時計の針が10時を回った頃。


「鈴子ちゃん。
今日、頑張ってたから…
もう上がっていいよ?」


店長からの奇跡の1言。

まだ店内は混み合ってるのに。


『はちべえ』の店長さんのこういう所が好き。

ちゃんと頑張りを認めてくれるんだ。


「ありがとうございます。
では、お先に失礼します。」


「はい、お疲れ様〜」


私は丁寧にお辞儀をして、足早に休憩室に向かった。


*****


ファンデーションをパフパフ……

オレンジ系のチークを頬にのせて


マスカラもちょっと付け足して。

仕上げはピンクのグロスを
薄く塗る。



鏡で入念にお化粧チェック。


それから、
全身鏡でも服装チェック。

今日は花柄スカート。
良かった、女の子ちっくな服で。



よし、大丈夫っ!

意を決して、梅田さんの元へっ!




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