Home * Love 〜始まりは、キス〜
━━━帰り道。
梅田さんと2人並んで歩く。
真っ暗な住宅街の夜道に、
あたたかい光の街灯が
ポツリ、ポツリ、あって。
聞こえるのは、
私と梅田さんの足音、と
遠くの方からの電車の音。
それと────
煩いほど聞こえる。
ドクン、ドクン、
自分の心臓の鼓動。
先に口を開いたのは、
梅田さんだった。
「本当に、砂鉄女だよなぁ〜
鈴ちゃんは。ハハッ………」
なんて、笑う彼に
「梅田さん……ひどいですよ…」
私はため息をつく。
でも、
きゅんっ…てしちゃうんだよね。
「ごめん、ごめん。
会えて嬉しかった……本当に。」
「本当に………?」
次の瞬間。
私の右手にあたたかいぬくもり。
「手ぇ、繋いで帰るか。」
その言葉に、少しだけ
目頭が熱くなった。
「………はい。」
嬉しくて、嬉しくて、幸せな瞬間で。
「うふっ…」
幸せで笑いが出て来る。
「どうした?急に…」
不思議そうに首を傾げる梅田さん。
「だって、隣に梅田さんがいるんだもん。」
手を繋ぎ家まで帰った帰り道。
━━━これから、
少しずつ梅田さんとの距離が
縮まればいいな。
そんな事を思った。