Home * Love 〜始まりは、キス〜



*****


少しの待ち時間の後、
私達は観覧車に乗り込んだ。


観覧車の中で流れるのは
切なくて甘い
バレンタイン・ソング。


音楽を乗せてゆっくりと、頂上を目指して動き出した。

狭くて密室な
甘い雰囲気の箱に
閉じ込められた2人。






向かい合わせで座っているから、
変にドキドキしてしまう。


特に会話もしない・・・・・





私は俯きながらも、
チラッと梅田さんを見た。

すると窓越しに
遠くを見つめている梅田さん。

寂しさが残るその目に
ドキリと心臓が跳ねて…


思わず声を掛けた。


「梅田さん。」



微妙な距離の、未完成な2人。


梅田さんの気持ちは
どこにあるんだろう?



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